1986年以降2025 年12 月31 日までに、日本ムコ多糖症患者家族の会において病状実態アンケート調査にご協力された(される)患者さんおよびご家族の方へ
本研究の内容は、研究に参加される方の権利を守るため、研究を実施することの適否について川崎医科大学・同附属病院倫理委員会にて審査され、承認を得ています。また、学長による実施許可を得ています。
研究責任者 川崎医科大学 分子遺伝医学 主任教授 大友孝信
1.研究の概要
ムコ多糖症をはじめとするライソゾーム病は、細胞内小器官であるライソゾームの機能不全により細胞内代謝が障害される遺伝性の疾患群です。頻度は数万出生に1 人とまれな疾患であり、日本国内においても各疾患の患者数は限られている現状で、患者家族の会が中心となり患者さんの間の情報共有や交流を担っています。
1986 年に設立された日本ムコ多糖症患者家族の会は、対象疾患をムコ多糖症に限らずライソゾーム病13 疾患を含んで拡大し活動を続けています。これまでの会の活動の中で会員を対象としたアンケート実態調査が行われてきました。現在ライソゾーム酵素の補充療法などが実用化されていますが、全身の臓器への効果が得られないなどの問題も残っており、医師や製薬企業側が認識している治療効果と、患者さんやご家族自身が実感しているQOL や治療効果には乖離(かいり)があるため、患者会が行ったアンケート実態調査の結果を解析して学術的に発信することは重要であると考えています。
本研究では、日本ムコ多糖症患者家族の会が会員を対象に行っている 疾患や治療に関するアンケート実態調査の情報を川崎医科大学で解析します。従来の治療法では効果が認められない症状、今後対処していかなくてはならない合併症、現在患者さんやご家族が一番困っている点などを明らかにし医学会へ発信することで、今後の臨床や治療薬の開発に生かすことを目的とします。
2.研究の方法
1) 研究対象者
1986 年に発足した日本ムコ多糖症患者家族の会で行われた実態アンケート調査にご回答されたライソゾーム病患者さんおよびご家族を研究対象とします。(アンケート調査は1986 年以降2025 年12 月31 日までに行われるものを対象とします)
2) 研究期間
倫理委員会承認日~2026 年3 月31 日
3) 研究方法
上記の研究対象期間に日本ムコ多糖症患者家族の会で行われたアンケート調査の結果を匿名化し、直ちに個人を特定できない形に加工した上で、川崎医科大学分子遺伝医学教室にご提供いただきます。川崎医科大学ではアンケート結果を集計し、研究概要に記載した様な実態を明らかにし、研究会・学会や論文にて国内外に発表します。
4) 使用する情報の種類
日本ムコ多糖症患者家族の会で行われたアンケート調査結果、事務局が保持する実態に関する統計データを匿名化したもの。
5) 外部への情報の提供
上記情報は川崎医科大学および日本ムコ多糖症患者家族の会事務局間のみにおいて共有され、研究組織外へは提供されません。
6) 情報の保存及び二次利用
この研究に使用した情報は、川崎医科大学分子遺伝医学教室(研究責任者:大友孝信)が保存します。電子情報の場合はパスワード等で制御されたコンピューターに保存し、外部に遺漏しないように適切に管理します。本研究で得られた情報を別の研究に二次利用する場合には、その研究計画について新たに倫理委員会で承認を得ます。
7) 研究計画書および個人情報の開示
あなたのご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。この研究は氏名、生年月日などのあなたを直ちに特定できるデータをわからない形にして、学会や論文で発表しますので、ご了解ください。
この研究にご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。また、あなたの過去のアンケート情報が研究に使用されることについてご了承いただけない場合には研究対象から外すことが出来ます。
1986 年以降2021 年12 月31 日までに行われたアンケート結果について研究への使用をご了承いただけない場合は、2022 年3 月31 日までに日本ムコ多糖症患者家族の会事務局へお申し出ください。2022 年以降に実施するアンケート調査については、アンケートの最初に意思確認欄を設けますのでチェックをしてください。
なお、研究に参加されない場合でも、診療など病院サービスにおいて患者さんに不利益が生じることはありません。
<問い合わせ・連絡先>
川崎医科大学 分子遺伝医学教室
氏名:大友 孝信
電話:086-462-1111(平日:10 時~16 時)
E-mail:mgm-lyso@med.kawasaki-m.ac.jp
<研究組織>
研究代表機関名・研究代表責任者:川崎医科大学 分子遺伝医学 教授 大友孝信
既存情報の提供のみを行う機関名:日本ムコ多糖症患者家族の会
責任者:秋山武之(名誉会長)、川元正司(会長)
3.資金と利益相反
この研究は、学内研究費を用いて行われる予定です。本研究に関する利益相反の有無および内容について、川崎医科大学利益相反委員会に申告し、適正に管理されています。